糖尿病の治療はけいゆうメディカルクリニックへ
当院は、地域のかかりつけ医として「はじめて糖尿病の可能性を指摘された」患者さんにも多くお越しいただいています。「専門の医師に相談するのは怖い」「不摂生な生活を起こられるだけでは?」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、糖尿病は早期から適切な治療を行うことで、糖尿病に伴う合併症の発症を抑制し、健康寿命(自立して活動でき、健康に過ごせる期間)を短くすることを防ぎます。どうぞ、安心して相談にいらしていただければ嬉しく思います。
Diabetes
当院は、地域のかかりつけ医として「はじめて糖尿病の可能性を指摘された」患者さんにも多くお越しいただいています。「専門の医師に相談するのは怖い」「不摂生な生活を起こられるだけでは?」と心配される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、糖尿病は早期から適切な治療を行うことで、糖尿病に伴う合併症の発症を抑制し、健康寿命(自立して活動でき、健康に過ごせる期間)を短くすることを防ぎます。どうぞ、安心して相談にいらしていただければ嬉しく思います。
糖尿病は、何らかの原因でブドウ糖(血糖)を適切に細胞に取り込めなくなり、血液中のブドウ糖が過剰となり、高血糖となる慢性疾患です。長期間にわたり血糖濃度が高い状態が続くと、身体全体の血管にダメージを与え、合併症が引き起こされ、全体的な体調への悪影響が広がります。血糖値を管理し、このような合併症を防ぐことが、糖尿病治療の主な目的になります。
しかし、糖尿病には大きな問題があります。それは「症状が全く出ない」ということです。そのため、自身が糖尿病であることに気づかない人が多く、すでに糖尿病と診断されていても、症状がないために治療が遅れるケースがしばしば見られます。糖尿病は「サイレント・キラー」、つまり沈黙の殺人者とも呼ばれ、知らない間に体を侵害してしまいます。結果として、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を若い年齢で発症し、人生を約10年短縮する可能性があります。糖尿病患者の平均寿命は男性で約69歳、女性で約72歳と言われています。
糖尿病の治療は、早期から始めるほど、その後の健康状態の改善が期待できます。症状が出ないからこそ、定期的な診察と検査を受け、血糖値が適切に管理されていること、そして合併症が発症していないことを確認することが重要となります。
糖尿病は生活習慣病の2型糖尿病と、大きく免疫病の1型糖尿病に分かれています。
それぞれ、なぜ糖尿病になってしまったのか?という背景が異なります。
それぞれの原因と症状を以下にご紹介します。
日本では95%以上の糖尿病患者がこのタイプに当てはまります。
以下に挙げたものが引き金となってインスリンの分泌が低下したり、インスリンがうまく働けなくなること(インスリン抵抗性といいます)が発症の主な原因となります。
2型糖尿病は初期の段階では自覚症状がまったくないことが多いですが、「糖尿病合併症」が進行することによって、全身に様々な症状があらわれてきます。
膵臓のインスリンをつくり出す細 胞( β 細胞 ) が破壊されてインスリン分泌が低下し、血糖値が上昇することで起こる糖尿病です。
注射でインスリンを補う治療法(インスリン療法)を行います。
1型糖尿病の症状は通常、症状が突然あらわれます(急性合併症といわれます)。主な症状は以下の通りです。これらの症状がさらに進行すると呼吸困難や吐き気・おう吐などが起こり、昏睡状態に陥るなど非常に危険な状態になることもあります。
糖尿病は自覚症状が現れにくい病気ですが、放置したままにすると糖尿病合併症が確実に進行し、生活の質を大きく損ねてしまいます。
ここでは、代表的な糖尿病合併症を以下にまとめます。
糖尿病は心臓疾患や脳卒中を誘発する可能性のある動脈硬化の一因となると認識されています。
特に、食事後の血糖値の急上昇が動脈硬化を進行させることが知られています。
動脈硬化の進行を防ぐためには、糖尿病だけでなく、高血圧、脂質異常症、肥満も適切に管理することが重要です。これら4つの生活習慣病が重なると、動脈硬化の進行は急速に加速し、心臓疾患や脳卒中のリスクが格段に増大します。
それゆえ、これらの4つの生活習慣病は「死の四重奏」などとも称され、その管理の重要性が強調されています。
糖尿病神経障害とは、高血糖の影響で手足の神経が損傷を受け、結果として足の先端や裏面、または手の指に痛みやしびれといった感覚異常が生じる糖尿病の合併症です。
これらの症状は、特に手袋や靴下でカバーするような部位に、「左右均等」に現れることが特徴的です。痛みが長期化することもあれば、進行して感覚が鈍くなり、足の潰瘍や壊疽に至るケースも存在します。自覚症状がある場合は、早めに内科の医師に相談しましょう。
糖尿病網膜症とは、高血糖により、目の網膜にある細い血管が徐々に蝕まれていく糖尿病の合併症です。
この病状が進行すると、失明に至ります。糖尿病網膜症は自覚症状が出ずに進行することが多いので、早期の発見と進行防止・治療のために、少なくとも年に1度の眼底検査を行うことが必要です。
糖尿病腎症は、高血糖により、腎臓にある非常に細い血管がむしばまれていく合併症です。この病態が進行すると、老廃物を尿として排泄する腎臓の機能が失われてしまうため、最終的には透析が必要となる可能性があります。この合併症も自覚症状がほとんど現れないまま進行することが多いため、早期発見を目指して、定期的な腎機能検査が必要です。
糖尿病の治療は、①食事療法、②運動療法、③薬物治療(お薬、注射)があります。
糖尿病の治療で大切なのは「適切な治療法」を「継続」することです。糖尿病は「完治する」病気ではありません。
長期的な目標は、病気をコントロールし、合併症を防ぎ、健康な人と同じように生活することです。「適切な治療法」は私たち医療専門家が提供し、「継続」するのは患者さん自身です。例えば、極端な食事療法(糖質制限など)や過度な運動療法は、短期間は実践できても長続きしないことが多いです。良い治療法でも続けられなければ意味がありません。だからこそ、「無理のない治療」を行いつつ、「定期的に通院する」ことが重要です。
一般的に、血糖コントロールの最も重要な指標として、HbA1c(ヘモグロビンA1c)という検査値を用います。血糖値は1日のなかで食事や運動、ストレスなど、様々な影響を受けて常に変動しているので、採血時から過去1~2カ月間の平均血糖値を反映するHbA1cが血糖コントロール指標として役立ちます。
糖尿病治療において、食事療法は不可欠です。カロリー制限はもちろんですが、規則正しく食事を摂ったり、食べる順番を考慮したりするだけで、血糖値は変わります。ここでは食事療法のポイントについて解説します。
年齢、身長・体重、性別、生活習慣・仕事(デスクワークか力仕事か)などによって必要なエネルギー量は異なります。医師の指示に従って、1日の適正なエネルギー量に沿った食事を心がけましょう。
糖尿病の方は1回に食べる量が多い傾向にありますが、腹八分目を意識しましょう。摂取エネルギーが適正かどうかは体重の増減で判断できます。
1日のエネルギー量の目安は下記の計算式で算出します。問診などから主治医が決めます。
エネルギー摂取量(kcal)=身体活動量(kcal)×標準体重(kg)
※身体活動量の目安は下記の通りです。
デスクワークや 軽労作が中心の仕事、 主婦の方など |
25~30kcal |
---|---|
立ち仕事が多い仕事の方など | 30~35kcal |
力仕事が多い仕事の方など | 35kcal~ |
※標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
食事をすれば血糖値は上がります。1回食や2回食だったり、不規則な時間に食事を摂ったりすると不規則に血糖値が上がることですい臓に負担がかかり、糖尿病を悪化させます。できるだけ規則正しく、均等に食べることを心がけましょう。
また、食べるときはゆっくりよく噛んで食べましょう。ゆっくり食事をすることで血糖値が上がりにくくなることもわかっています。一方、早食いは肥満や糖尿病になりやすくなってしまうことが分かっています。
主食・主菜・副菜で、栄養のバランスのいい食事を心がけましょう。
糖尿病の食事療法では炭水化物制限、糖質制限が有効となります。普段の食事での三大栄養素の摂取比率(%エネルギー)は
炭水化物 :50〜60%
タンパク質 :15〜20%
脂質 :20〜25%
が理想的だとされています。
ただし、糖尿病の治療薬を服用・投与している場合には、急に炭水化物制限、糖質制限を行うと低血糖になって意識が朦朧となるなど危険な状態になるリスクがあります。十分に医師と相談したうえで行ってください。
また、食べる順番に気を付けることも重要です。
食物繊維が多く消化に時間がかかるもの(海藻やキノコ、野菜)を先に食べ、血糖値を上げやすい米やパン、麺類などを最後に食べると、食後の血糖値が改善します。
運動療法は、食事療法と並んで糖尿病治療の基本といえます。
食後に運動をすると、ブドウ糖や脂肪酸の利用が促され、より効果的に血糖値が下がります。
運動には、短距離走やいわゆる筋トレ(レジスタンス運動)のような無酸素運動と、ウォーキング・ジョギング・水泳などといった有酸素運動があります。
糖尿病の運動療法において適しているのは有酸素運動の方ですが、レジスタンス運動も同時に行えるとより効果的といえるでしょう。
運動屋のやり方としては、1回に20分から40分、週3回程度実施するとよいといわれています。無理なく、そして楽しくできる運動を生活に取り入れて、習慣にして長く続けられることが大切です。有酸素運動の例をご紹介します。
また、なかなか運動をする時間が取れない方は、「階段の上り下り」や「掃除機や雑巾掛け」、「風呂掃除」、「買い物」等も軽い運動として取り入れることもできます。無理をしてしまうと、やる気を失くしてしまったり、ケガしてしまったりする恐れもあります。当院では患者さんの状態や生活スタイル、スポーツ歴の有無、持病の有無などを考慮して、運動メニューを提案していきますので、お気軽にご相談ください。
たとえ歩行運動でも間違った方法で行ってしまうと、場合によっては血糖値が上がってしまって糖尿病を悪化させたり、心臓や血管に負担をかけて心筋梗塞を起こしたりするリスクがあります。むやみに強度の強い運動をしても、かえって逆効果です。現状の症状によっては運動禁止あるいは制限が必要なケースもあります。運動を始める前に医師の指導を受けましょう。
運動療法を行う際は下記を意識してみてください。