〒816-0954 福岡県大野城市紫台2−10
BELLFLOWER BLDG 1F
092-404-0067

高尿酸血症(痛風)

Hyperuricemia

高尿酸血症(痛風)- Hyperuricemia ―

こんな方は高尿酸血症に要注意

高尿酸血症(痛風)

関節に耐えられないほどの痛みが起こることがある

  • 関節が赤くはれたことがある
  • 歩くのが困難なほど、関節が痛くなることがある

このようなお悩みはございませんか?もしかすると「高尿酸血症」の可能性があります。
治療をせずに放置すると、症状が悪化し腎障害を引き起こすことがあります。
また合併症として、脂質異常症や高血圧の生活習慣病を患うこともあります。
不安な方は、お気軽にお越しください。

高尿酸血症とは

尿酸値が7mg/dlを超えると、高尿酸血症と診断されます。高尿酸血症は、生活習慣病の一種であり、尿酸値の上昇は高尿酸食品の摂取や生活習慣の乱れによるものです。

高尿酸血症が長く続くと、尿酸が関節内に沈着し、結晶化して関節内で炎症を引き起こすことがあります。この状態が痛みを伴う痛風発作として現れます。痛風は、急に足の親指のつけ根が赤く腫れ、激しい痛みを引き起こす発作性の疾患です。体内で完全に溶けきれない尿酸が関節に沈着することにより、関節炎が生じます。高尿酸血症の人すべてが痛風を発症するわけではありませんが、痛風になる人は必ず高尿酸血症を抱えています。痛風の発症には遺伝要因も関与しており、さらに暴飲暴食、ストレス、肥満、脱水なども痛風の引き金となる可能性があります。
高尿酸血症自体はほとんど自覚症状がなく、健康診断で偶然に高尿酸血症が指摘されることがよくあります。

日本では、痛風患者の多くは男性であり、年々増加しています。2016年の統計では、年間100万人以上の痛風患者が報告されています。一方、女性の患者数はほぼ横ばいであり、年間10万人に満たないとされています。

高尿酸血症の合併症

高尿酸血症と痛風の関係

上で述べたように、高尿酸血症と痛風には深い関係があります。
症状としては、関節が腫れ上がり、歩行にも支障をきたすほど激しい痛みが伴います。
また、高尿酸血症が繰り返されると、関節に「痛風結節」と呼ばれるコブのような塊ができることがあります。ただし、これには痛みが伴わない場合もあります。さらに、痛風の適切な治療が行われると、結節の大きさが縮小することもあります。そのため、結節に関しては患者さんが自覚症状を訴えることは少ないようです。

高尿酸血症の合併症は痛風関節炎と痛風結節の2つが主なものです。これらの症状に注意し、早期の診断と適切な治療を行うことが重要です。

高尿酸血症と腎臓の関係

高尿酸血症は、血液中の尿酸値が通常よりも高くなる状態を指しますが、この状態が長期間続くと、腎障害のリスクが増加することが知られています。

尿酸は通常、腎臓を介して尿として排泄されますが、高尿酸血症の場合は尿酸が体内に過剰に蓄積されます。この尿酸の蓄積が腎臓に負担をかけ、腎障害を引き起こす可能性があります。

特に重要なのは、高尿酸血症が繰り返し起こると、尿酸結晶が腎臓内に沈着し、尿路結石や尿路炎を引き起こすことがあるということです。これにより、腎臓へのダメージが進行し、腎機能の低下や慢性腎臓病のリスクが高まる可能性があります。

尿路結石は、水分摂取が不足し、酸性尿が長期間続くこと、そして尿中の尿酸排泄量が増加することによって引き起こされる可能性があります。さらに、プリン体の過剰摂取が加わると、尿路結石のリスクが増加することが知られています。

したがって、高尿酸血症を抱える患者さんは、腎障害の予防と管理に十分な注意を払う必要があります。また、尿路結石を予防するために、水分不足に気を付けて一日に2.5リットルの水を摂取することがおすすめです。スポーツドリンクやコーヒー、アルコール飲料ではなく、水を摂取することを推奨します。
適切な治療や生活習慣の改善によって、尿酸値を適正範囲に保ち、腎臓の健康を保つことが重要です。

当院では循環器内科の専門医が在籍しており、診断・治療が可能です。
また、当院では治療し兼ねると判断した場合、連携病院に紹介させていただきますので、ご不安な方はまずは当院へお越しください。

高尿酸血症の原因

では、そもそもですが尿酸とはいったい何なのでしょうか?
尿酸は体内の新陳代謝やエネルギー消費によって生じる老廃物の一種であり、肝臓によってプリン体から生成されます。プリン体は細胞内の生体物質の一部であり、不要になると尿酸として排出されます。通常、体内の尿酸の量は約1200mgで、そのうち約700mgが食物からのプリン体や体内の再利用によって生成されます。尿酸の大部分は体内でエネルギーの代謝や遺伝子の分解によって生成されますが、食品からのプリン体が寄与する割合は20%~30%です。腎臓を通じて約500mg/日の尿酸が排泄され、約200mg/日は消化管などの腎外経路を通じて失われます。これにより、体内の尿酸レベルは一定に保たれます。

尿酸血が高くなる原因の一つにプリン体の摂取があります。
プリン体は、肉や魚の動物性たんぱく質に多く含まれています。魚卵にも多く含まれているというイメージの方もいらっしゃるかもしれませんが、意外と魚卵にはあまり含まれていません。

特に、内臓系の食品や脂身の少ない肉など、ダイエットに取り入れる人が多い食材は、プリン体が多く含まれているため注意が必要です。また、飲み物としてのアルコールも挙げられます。ビールは特にプリン体が多いことで知られていますが、利尿作用もあるため、尿酸値をさらに上昇させてしまう可能性があります。

また、意外なことに、ソフトドリンクに含まれる果糖は尿酸排泄を妨げる働きがあるため、こちらにも注意が必要です。

そのため、食事や水分補給の際には、水やお茶を選ぶことをおすすめします。

高尿酸血症の治療

高尿酸血症の治療は、痛風や尿路結石などの発作や合併症の予防が主な目的です。ただし、高尿酸血症と他の疾患の関連性についてはまだ十分に研究されておらず、一次予防効果に関する報告も限られています。

主な治療法は、生活習慣の改善指導と薬物治療です。
当院では「痛風があるかどうか」「合併症があるかどうか」ということに基づいて、患者様一人ひとりに合った治療をおこないます。

生活習慣の改善指導

生活習慣の改善では、アルコール摂取制限とプリン体摂取制限の食事療法が基本となります。プリン体摂取制限の食事療法については、上の『高尿酸血症の原因』で述べたとおりです。

薬物治療

痛風の発作を経験したことがある場合は、薬物治療が選択されることもあります。尿酸値が9mg/dlを超える場合や、尿酸値が8mg/dl前後で合併症がある場合も、薬物療法が検討されます。

薬物治療では、尿酸の合成を阻害する薬が一般的に使用されます。一部の薬は尿酸の排泄を促進する効果もありますが、尿路結石の悪化のリスクがあるため、慎重に処方されます。

痛風発作時の治療は、尿酸値のコントロールとは異なります。まず、発作時の激痛を軽減するために、消炎鎮痛剤(NSAIDs)が使用されます。関節の炎症を早く抑えることが重要です。

治療の流れとしては、まず痛風発作時の治療を行い、発作が収まった後に尿酸値のコントロールに取り組みます。

高尿酸血症の治療は患者様の状態に合わせて行うべきだと考えています。定期的な診察を受けましょう。
当院では高尿酸血症の専門医が在籍しており、診断・治療が可能です。
また、当院では治療し兼ねると判断した場合連携病院に紹介させていただきますので、ご不安な方はまずは当院へお越しください。